「吾郎くんは誰にも渡さないよ。」
「吾郎くんは誰にも渡さないよ。」
「吾郎くんは誰にも渡さないよ。」
・・・・・・・・・。
「おい、佐藤、これから・・・!」
ノックの返事も聞かずに寿也の部屋のドアを乱暴に開けたチームメイト
短冊の山に思わず・・・・冷汗!!
「あ、○○さん・・・なにか?」
虚ろな瞳で生気なく微笑む寿也を見て引き攣る○○。
「い、いや・・・なんでも・・・・じゃ、じゃあな?」
かわいそうに・・・肝試しで逃げ出す気弱な子供のように
その○○と呼ばれた大の男は逃げ出した。

寿也の願いは天に届いたのだろうか??



一方。
「そうか。今日って7月7日。七夕か!」
「なんだ、その「tanabata」とは。」
「・・・そっか、お前、知ってる訳、ねーよな。
日本では・・・いや、元は中国かな?良く知らねえけど
こういう伝説があるんだ。」
吾郎はキーンに七夕の話を聞かせた。
「なるほど。一年に一度の逢瀬か。なかなかロマンチックだな。」
「・・・お前の口からロマンだの聞くとは思わなかった!」
と吾郎は心底驚いたように瞳を見開く。
「・・・俺こそ・・・お前からそんなしおらしい御伽噺が聞けるとは思わなかった。」
「なんだよ、それ・・・・。
で、キーン、短冊に願いを込めるとしたら何を書く?」
「俺は他力本願は嫌いだ。願いは自分で叶えるさ。
しかし・・・敢えて言えば・・・・・・。」
キーンは吾郎を見つめ、口元だけで微笑んだ。
「?なんだよ、勿体ぶってないで教えてくれよ!!」
「・・いや・・・その願いなら既に叶っている。」
「は?なんだよ、それ!!」
「お前こそ願いを書くのか?」
「俺も・・・そういうの信じねえからなー。」
「茂野・・・・。」
気がつくとキーンがさっきよりもずっと近くにいて。
吾郎は思わず頬を染めた。
「な、なんだよ・・・。」
「アルタイルやベガよりも・・・お前のその瞳に願いたい・・。」
更に距離が・・・。
「ずっと、これからも・・・共に・・・・・・。」
「・・・キ・・っ・・・・!!」
吾郎はそれ以上、言葉を発する事が出来なかった。
キーンにより唇を塞がれてしまって。
熱く絡み合う、舌と舌。
至近距離で見詰め合う互いの瞳は
夜空のどんな星よりも美しく輝いて見えた。












end

あああ〜〜〜〜〜!!寿也をギャグにしちゃってすいません!!
決してトシゴロを貶めるつもりじゃありません!!
私の本命はトシゴロなので!!
ただ・・・せっかく七夕だし・・・数行の会話だけでも・・・
と思って思いを馳せたら・・・
真っ先に浮かんできたのが
虚ろな瞳で短冊に願いを書き続ける寿也だったんです!!
で、対比してその頃・・・とキンゴロに続けちゃった次第で!!
しかも、キンゴロ、以前書いたクリスマスネタと被ってるし・・・。
まあ、ギャグという事で逃走いたします!!

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
(2009.7.7)

 


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