─────寿。


ハッ・・と僕は顔を上げ、思わず振り向いた。
そして、まただ・・・、と一人苦笑する。

僕はいつまでこんな想いをするのだろう。

もう、吾郎くんは僕の傍にはいない。
あれからもう何年も経つのに、僕の心は君に囚われたまま。




僕は本当に君が好きだった。
君と一緒に歩いていきたかった。
離れていても心は君と共に・・・いつも君と共にいたかった。


君はいつだって、どんな時だってチャレンジャーだ。
横浜リトルに誘ったが断られ
海堂からは出て行って
そして今度は狭い日本からも出て行った。
単身アメリカへ・・・なんの実績も、そしてコネもない。
そんな状態で一人、アメリカへ。
そんな事、僕には考え付く事すら出来ない。

僕は吾郎くんに野球を教わった。
吾郎くんがいなかったら僕は今頃普通のサラリーマンだっただろう。
僕でなくとも誰かがやった、そんな仕事を日々こなしていく・・・。
吾郎くんがいなければ・・・・・・。

5歳のあの日、僕の一生が決まった。
そう言っても過言ではない。

あれから色んな出会いがあった。
尊敬できる人、信頼できる人、頼もしい友人、恩人。
その誰よりも、僕にとって君は大きな存在だった。

君が僕にとって・・・・
友とか恩人とか、そんなものを完全に超越した存在だと気付いて
そして初めて君をこの手に抱いたあの日。
幸せで幸せで、怖いくらいに幸せで。
涙が零れ落ちる程、嬉しかった。


でも、僕に君を縛り付けておく事なんて出来なかった。
君はいつも自由で・・・立ち止まらない、そんな君だから好きなんだ。

君を繋ぎとめる事なんて・・・出来ないんだ。



僕は二人でいつまでも・・・
そう、人生の終わりまで共に歩いていきたかった。
でも二人で歩いていける道を・・・僕は見つけられなかった。









そして年月は流れた。
流れてしまった。



君の隣に僕はいない。
僕の隣に君はいない。


君は何を想っている?
今、何を感じている?


僕は何故・・・あの日、あの時
なりふり構わず君が好きだと、世界中の誰よりも愛している、と言えなかったんだろう。


僕の隣に君はいない。
でも僕の心には5歳のあの日から、君しかいない。


吾郎くん。
今も、これからも・・・愛している。


会えなくても、傍にいなくても、他の誰かといても
僕は君を愛している。


















end


アニメ4thのED「One Day」の歌詞を読んで、感動して書いてしまったものです。
そのまんま・・・かもしれませんが(苦笑)
この歌、それ自体、初めて聴いた時から寿也の思いにしか聞こえないですよね!
それでつい、書いてしまいました。
イメージ崩された〜とか苦情はご勘弁願います、すいません!!

ここまで読んで下さり、ありがとうございました! (2010.1.10)


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